こんにちは。
今回も私の考える、Google広告の知っていると少し得する話をさせていただきます。
早速ですが今回のお題は「アトリビューションモデル」についてです。
アトリビューションモデルってそもそも何のことかご存じでしょうか?
全く聞いたことがない!という方でもわかるように「アトリビューションモデル」とは何かについてから説明させていただきます。
アトリビューションモデルとは
簡単に言うと、広告の成果(コンバージョン)までに至った接点を分解して考えそれぞれの接点に貢献度を割り当てる手法のことです。
例えば、ユーザーが購入まで至った経路の内、複数回別々のキーワードで検索してから購入に至ったとします。
その複数のキーワードのうち、どのキーワードで検索した際により成果(コンバージョン)に結びついたのかが定量的にわかったら広告の検証がより詳細にできますよね。
今回はGoogle広告で設定可能なアトリビューションモデルとそれぞれの利点やおすすめの設定などを紹介していきます。
アトリビューションモデルの種類
ここではGoogle広告で設定可能なアトリビューションモデルとそれについての説明をGoogle広告より抜粋しつつ、少しかみ砕いて説明します。
ラストクリック
「ラストクリック」では、コンバージョン経路で最後にクリックされた広告だけに貢献度が割り当てられます
これは複数回にわたっていくつかの広告をクリックしたユーザーがいた場合、最後にクリックした広告にだけ「コンバージョン数:1」がカウントされます。
ファーストクリック
「ファースト クリック」では、コンバージョン経路で最初にクリックされた広告だけに貢献度を割り当てます
これは複数回にわたっていくつかの広告をクリックしたユーザーがいた場合、最初にクリックした広告にだけ「コンバージョン数:1」がカウントされます。
線形
「線形」では、コンバージョン経路で発生したすべてのクリックに貢献度を均等に割り当てます
これは例えば広告Aと広告Bを1度ずつクリックしていたユーザーがコンバージョンに至った場合、広告Aと広告Bのコンバージョン数に「0.5」がそれぞれカウントされます。
減衰
「減衰」はコンバージョンまでの時間が短いクリックに、より多くの貢献度を割り当てます。
これは昨日と今日に広告をクリックしたユーザーがコンバージョンに至った場合、あくまで数値は一例ですが今日のコンバージョン数に「0.7」、昨日のコンバージョン数に「0.3」といったように過去に向かってコンバージョンの数値が減衰して割り振られます。
接点ベース
「接点ベースモデル」はコンバージョン経路の最初と最後のクリック(その広告のキーワード)にそれぞれ 40% の貢献度を割り当て、それ以外のクリックに残りの 20% を割り当てます
これは広告A、B、C、DをABCDの順番でクリックしたユーザーがコンバージョンに至った場合、広告Aにコンバージョン数「0.4」、広告Bにコンバージョン数「0.1」、広告Cにコンバージョン数「0.1」、広告Dにコンバージョン数「0.4」が割り振られます。
アトリビューションモデルを分ける理由
通常コンバージョンの数値はラストクリックで換算されることが多いです。
その為、成果が良かった広告とは何かを考えた際にラストクリックが行われた広告のみに焦点を当て、他の広告を弱めるもしくは停止させるといった事をしてしまいがちです。
ですが、これは実は危険な考え方でユーザーが興味を持った広告と購入しようと決断した広告が別であった場合、ユーザーとの接点を失ってしまう可能性があります。
この場合、広告の成果を正確に検証しそれぞれの広告が潜在層のユーザーと顕在層のユーザーに別々に刺さっていた可能性を考慮しなければいけません。
その際に役立つのがアトリビューションモデルという考え方です。
アトリビューションモデルを変えるべき商材
購入までに何度も検討を重ねることが多い商材はアトリビューションモデルをラストクリックから変更したほうが成果を正確に分析できます。
逆に私の場合ですが、月に数件のお問い合わせがある程度のBtoBの企業ではどのモデルにしても数値は変わりませんでした。
他のケースだと、特定のワード、特に指名ワードでのコンバージョンが極端に多い場合は接点が別にあり比較検討したのちに検索でコンバージョンに至る場合は減衰や線形にすると大きく数値が変わりました。
この点から、比較検討の余地があり購入までに複数回検討する商材はアトリビューションモデルを検討したほうがいいことがわかります。
アトリビューションモデルのおすすめ
私は多くの案件で「減衰」を利用しています。
減衰はラストクリックに最も重きを置きながらも過去クリックした広告や検索して流入したキーワードなどに経過時間に合わせてCV数が割り振られます。
これはラストクリックに非常に近いですが、きっかけとなる広告やキーワードにもわずかに数値が付くため、予算配分を行う際に予算の厚みを決めやすくなるためです。
必ずしも減衰がいいというわけではありませんが、PDCAの取り組みに慣れている方はお勧めできます。
アトリビューションモデルの注意点
ラストクリック以外のアトリビューションモデルを設定する際には注意しなければいけない点があります。
コンバージョンを確認した際にそのコンバージョンが小数点以下だった場合は過去の日付のコンバージョン数に残りの数値が付いています。
つまり1日の成果をデイリーとして毎日記録している場合、過去のすべての日数にさかのぼりコンバージョンの数値を更新しなければいけなくなります。
今日、昨日の成果を確認してコンバージョンが0だったにもかかわらず明日になってから二日前の成果を確認したら0.1コンバージョンがついていた、という風に過去に巻き戻ってコンバージョンの数値がどんどん加算されます。
数値を確認する際は必ずまとまった期間でレポートをダウンロードして使う様にしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
アトリビューションモデルを利用することで、安易な予算のアロケーションによっての流入機会の損失が防げることもありますし、より定量的にデータを観測することで正しい解析に役立ちます。
みなさんの商材にあったアトリビューションモデルの設定が見つかるといいですね。
ラストクリックからの変更であれば一番影響が少ないのは減衰ですのでまずは減衰にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。